実写でしか表現できない、エモーショナルな瞬間。五感が震えるような、言葉にできないうずき。わたしたちが撮影のプロフェッショナルとして、今だから、伝えるべきこと。TEC CREATIVE PROJECT「ひかりとかみ」は、3DCG、VRやAIなど、デジタル技術に注目が集まる昨今に、あえてアナログな手法を用いながら実写の撮影とは何かを探ります。紙はデジタルメディアと対峙する象徴的な存在として題材にしました。本プロジェクトを通じて、これからのビジュアル制作における撮影表現の意味をあらためて問いかけ、3DCGと撮影の新しい関係性を探ります。
一枚の紙と光による、干支をテーマにした作品です。今回は東京スタッフでアイデアを持ち寄り5種類のビジュアル案を制作。社内投票の結果、「雲海の龍」が2024年の年賀状に採用されました。雲の中の龍を紙の繊細なカーブで表現した姿は、幾重にも折り重なることで、まるで時間の経過を一枚に封じ込めたマルセル・デュシャンの絵画のように、軽やかに空を駆ける龍の残像を表現しています。2024年、クリエイティブの海を躍動したいというスタジオテックのビジョンを象徴したビジュアルに仕上がりました。
雲の切れ目から天に昇る龍を望む作品です。紙の中央の隙間から遠くの対象を捉え、ボケにより柔らかさと奥行きを表現しました。1枚の紙から壮大なスケール感を描きだすことを目指しました。